プロテオグリカン
2013年 10月 03日
皆さんは「プロテオグリカン」をご存知でしょうか
最近、美容成分として、とても注目を集めている物質です。
なぜ、注目を集めてきているのでしょう。
今回から数回に分けて、このプロテオグリカン(以下PG)について
お話したいと思います。
まず皮膚について、基本的なお話をしますね。
皮膚は外界からの有害物質の浸入を防ぐと同時に、
体内水分の蒸発を防ぐ防護壁であることはご存知だと思います。
また、体内の代謝・免疫異常を肌の色艶や発疹などを通して
知らせてくれる警告装置でもあります。
皮膚と体内の関係で意外と見過ごされてきたのが、
皮膚と筋肉の関係です。
皮膚は多層の細胞からなる表皮とその直下にある真皮
(コラーゲンやプロテオグリカンなどの繊維性蛋白質からなる結合織で
血管や繊維芽細胞、そして多量の水分を含む)から成りたちますが、
皮下脂肪組織を介して筋肉と接しています。
つまり筋肉こそ皮膚の全面にわたって関連する最大の器官なのです。
従って、筋肉が不健康であればその影響は皮膚に表れるわけです。
健康な筋肉があって初めて、健康な皮膚を維持することができるのです。
ですから私は筋肉専門の美容家として活動しています。
今、筋肉との関わりをお話しましたが、表皮に接する真皮の状態は、
より直接的に肌(表皮)に反映します。
真皮の水分が不足すれば肌は乾燥して弾力を失い、皺が生じ、
表皮の新陳代謝が滞ってくすみが顕著になります。
この皮膚の水分維持には、表皮が分泌する油脂成分(セラミド)や
真皮層のヒアルロン酸が重要であることが分かっています。
そこで、これらを含むクリームが保湿剤として使われているわけですが、
最近になり特にプロテオグリカン(PG)という糖蛋白質の役割が
注目されるようになりました。
この蛋白質は長い線維状の蛋白質を幹として、
その周囲にヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸のような
保湿性に富む糖鎖が無数の枝のように結合した蛋白質で、
ヒアルロン酸の1,5倍の保湿力があるといわれています。
関節包の多量の水分保持を担う主役であるだけではなく、
皮膚の真皮層にも多く含まれており、
肌の保湿に重要であることが分かってきたのです。
PGは当初は鮭の頭の軟骨から抽出され、1グラム抽出するのに
3000万円ほど費用が掛かりました。
とっても貴重なたんぱく質だったんですね。
しかし最近になって抽出法が確立され、以前よりは
お安く入手できるようになり、、化粧品や健康食品の原料として
使われやすくなったのです。
さて、PGはこのように、保湿力に優れたたんぱく質として
認知されてきましたが、実はこれだけではないのです。
続きは次回お話しますね。
感謝 中辻 正